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年表_発明/普及_20-Q3


■20世紀3四半世紀 (1951-1975)

西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1951

J.プレスパー・エッカート

ジョン・モークリー

アメリカ

アメリカ

コンピュータ、UNIVAC I(ユニバックワン) 世界初のコンピュータENIAC(1946年)の開発者だった両名は起業し、データ処理用のコンピュータであるUNIVAC Iを発明。政府や軍のみならず保険など民間企業への納入始まる。
1953   日本 日本でテレビ放送開始 1953年2月1日、
1954

テキサス・インスツルメンツ社

リージェンシー社

アメリカ

トランジスタラジオ ※世界初

(ザ・リージェンシー,TR-1型)

 
1955 東京通信工業 日本

トランジスタラジオ ※日本初

(TR-55型)

 
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1956        
1957 丸善石油 日本 日本最初の石油化学工場 丸善石油(現コスモ石油)の下津工場にて、日本最初の石油化学工場が稼働。
1957 協和発酵 日本 発酵法でのグルタミン酸ナトリウム合成  
1958

三井石油化学

住友化学

日本

日本

ポリエチレンの国内量産開始  
1958

東洋レーヨン

帝国人絹

日本

日本

ポリエステルの国内量産開始 東洋レーヨンと帝国人絹は、イギリスのICI社と技術導入契約を締結し、衣料用の合成繊維として利用されるポリエステルを、テトロンという商品名で量産開始。
1959 ナショナル・カーボン社 アメリカ

レーヨン系炭素繊維

※世界初の炭素繊維

アメリカの化学会社ユニオン・カーバイドの子会社ナショナル・カーボンは、レーヨンを焼いた製品として炭素繊維を発表した。この炭素繊維は米空軍研究所向けのロケット部品用などに一部納品されたものの、性能、価格面で問題が多く、大量需要には至らなかった。
1959 日本国有鉄道 日本 東海道新幹線、起工式  

1960

味の素 日本 グルタミン酸ナトリウムの合成法  
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1961 進藤昭男 日本

PAN系炭素繊維

※実用的な炭素繊維

ナショナル・カーボン社の炭素繊維開発の記事(日刊工業新聞の海外技術トピックス)に触発され、進藤はレーヨン系炭素繊維を上回る実用的なポリアクリルニトリル(PAN)系炭素繊維を開発した。進藤が選んだ繊維は、図書館で見つけた文献の繊維特製一覧表で高温時に分解や溶解ではなく"粘る"と表現されたオーロン(アメリカのデュポン社のPAN繊維の商品名)であった。PAN系炭素繊維の製造では、200度前後の空気による酸化前処理(耐炎化処理)が不可欠であり、後続の窒素雰囲気中での炭化及び黒鉛化処理を行う。

当時、欧米では宇宙・航空分野の構造部材として、強くて軽い材料が求められており、進藤の論文は注目を集めた。進藤が明らかにしたPAN系炭素繊維の構造図は炭素原子の六角網のリボンあるいはシートが繊維の方向に整然と配列しており、既存のレーヨン炭素繊維が乱雑な配列であることと比べると、その強度差の理由は明白だった。

炭素繊維の応用分野の本命は航空機産業にあったが、敗戦国の日本では航空機生産が長らく禁止されていた。しかしこれが逆に民生用途(釣り竿、ゴルフシャフト、テニスラケットなど)での需要増加につながったと見られている。

1962 サムロック・コンプトメーター社 イギリス

卓上型電子計算機

(アニタ・マーク8)

※世界初の電卓

イギリスのサムロック・コンプトメーター社は1962年に世界最初の卓上型電子計算機であるアニタ・マーク8を製品化した。卓電以前のリレー式計算機では演算回路に継電器(リレー)を用い、接点の電磁的な開閉で演算をした。それに対して電卓である本製品では真空管を用いて電子的にスイッチングする。従来に比べて計算速度や騒音などの問題が改善された。

日本の電卓はこのアニタ・マーク8がお手本となっており、1964年に商社を通じて日本に輸入される以前に、独自ルートで各社がリバースエンジニアリングのために入手している。早川電機工業もアニタ・マーク8を徹底的に調べて、自社開発の電卓に活かした。

1963 梅棹忠夫 日本 情報産業論 放送朝日の1963年1月号の論文で「情報産業論」が掲載。梅棹は現代を「情報産業の時代」と定義した上で、産業の進展を人間の機能の段階的発展というアナロジーで説明。内胚葉に農業、中胚葉に工業、外胚葉に情報産業を割り当てた。
1963   日本

黒部ダム、完成

 
1964

早川電機工業

※現シャープ

日本

卓上型電子計算機

(コンペットCS-10A)

※日本初の電卓

アニタ・マーク8のリバースエンジニアリングから学んだ早川電機工業は日本で初めて卓電(後に電卓と呼ぶ)を発売した。コンペットCS-10Aという卓電は、従来の事務机ほどの大きさの機械式・リレー式の計算機に対して机の上に乗るほどの小型化に成功した。1964年の発売価格は53.5万円で自動車が買える値段であり、1965年は約42万円(生産数量は4355台)であったが普及後の1981年には2800円(生産数量は約6000万台)まで下げた。シャープの浅田副社長曰く電卓が日本で成功したのはソロバン文化があったからだそうだ。

コンペットCS-10Aでは演算素子として、Ge半導体が利用され、トランジスタ350個、ダイオード2300個、受動部品として抵抗器やコンデンサーが2900個ほど使用された。フルキー方式を採用し、本体にはキーが100個前後並び、一見、高性能計算機の様相を呈しているが、加減乗除の四則演算をこなすだけで、演算速度は加減乗除の順に毎秒80回、60回、2.5回、1.2回程度である。それでも新聞には、電動式に比べて計算速度が速く、騒音や振動が全くないと謳っている。

なおソニーも早川電機工業と同日にSOBAX(MD-5型)を発表しており、MD-5型は世界博への出品した。製品化は1967年発売のSOBAX(ICC-500)と3年後となり、先行各社の販売合戦の中に埋没し、売り上げは伸びなかった(1973年には全面撤退)。但し、ソニーの電卓で使用されたトランジスタは、ラジオやテレビには使えない本来は捨てるだけの不良品とされていたものをスイッチング用途だけの電卓なら使えると再利用したものであった。

1965   日本

日本で商用原子力発電所、開始

 
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1966        
1967        
1968        
1969 ボーイング アメリカ

ジャンボジェット、初飛行

 
1969

ブリティッシュ・エアクラフト

シュド・アビアシオン

イギリス

フランス

超音速旅客機コンコルド、初飛行

 
1969

服部時計店

※現セイコーウオッチ

日本

クオーツ腕時計の発売

※世界初

 
1970    

ダブルヘテロ接合の半導体レーザー

※室温での連続発振が可能

現在、DVDレコーダーや光通信の光源として重宝されるレーザーは、室温での連続発振が可能なダブルヘテロ接合型の半導体レーザーである。

西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1971   エジプト

アスワン・ハイ・ダム、完工式

 
1972        
1973        
1974        
1975