■18世紀後半(1751~1800)
西暦 | 人物 | 国 | 出来事 (発見/発表/発明/現象) | メモ |
1751 | ||||
1759 | フランシス・マセレス | イギリス | 負の数は存在しない |
イギリスの数学者フランシス・マセレスは、「負の数は存在しない」という結論に達する。 当時、数学者オイラーでさえ負の数は無限大より大きいと信じ、方程式が負の解を持つときはそれを無視するのが通例であった。紀元前100年には認知されていた負の数が、ヨーロッパでは18世紀になって数の種類としてようやく広く認められた。 |
1761 | ヨハン・ハインリヒ・ランドルト | ドイツ |
円周率の無理数性の証明 ※厳密性に欠ける |
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1777 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | ガウス、誕生 | 4月30日、ドイツのブラウンシュバイクで石切り職人(煉瓦工)の息子として生まれた。彼の父親はガウスを自分と同じく煉瓦工にするつもりだったが、生まれつき頭がよかったため彼の母親は、ガウスに学問をさせることにした。 |
1783 | レオンハルト・オイラー | スイス | オイラー、逝去 | |
1786 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | 等差数列の和 |
ガウス9歳の時、先生が1~40までの自然数を足し算しなさいと言ってクラスの生徒に問題を出した。ガウス少年は即座に820と言い、先生は驚いた。計算方法を聞き出したところ、(1+40)×20と答えた。先生も知らない計算方法を知り、2度驚いたとされる。 現在の等差数列(AP, arithmetical progression)の計算方法は、初項A、公差dとすると、第n項anは、An=A+(n-1)dとなり、 合計はSn=(初項+末項)×項数÷2=(A+An)×n÷2=(2a+(n-1)d)×n÷2となる。 ※個人的にはこの計算方法はギリシャ時代の数学者は知っていても不思議でないと思われる。幾何学的に考えると円の面積を解くより見やすい。 |
1792 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | 素数定理を予想 |
素数定理「x以下の素数の個数は、x/lnxで近似できる」というもの。素数は不規則に現れるが、その個数(分布)についてある程度の予測が立つことを示唆している。 以下、実際に計算してみると、だいたい一致する。 100以下の素数は25個であるが、100/ln100 ≒100/4.6 ≒21.7個 500以下の素数は95個であるが、500/ln500 ≒500/6.2 ≒80.5個 1000以下の素数は168個であるが、1000/ln1000 ≒1000/6.9 ≒144.8個 10000以下の素数は1229個であるが、10000/ln10000 ≒10000/9.2 ≒1085.7個 1億以下の素数は5761455個であるが、1億/ln1億 ≒1億/18.4 ≒5434782.6個 |
1794 | ルジャンドル | フランス | 円周率の無理数性を証明 | |
1795 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | 最小二乗法 | |
1795 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | 正7角形は作図不可能 |
ギリシャ時代には定規とコンパスだけで作図できる図形が研究対象とされ、正3角形、正方形、正5角形、正6角形は作図できることが確認されていた。また正7角形は作図できるのかが問題となっていた。 ガウスは18歳の時に、正7角形は作図不可能を証明し、2000年間の問題を解決した。 |
1796 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ |
正17角形の作図法 ガウスの作図定理 ※幾何学と素数の関係 |
ガウスは「素数pに対して正p角形が定規とコンパスで作図できるのは、pがいくつの時か」を考えた。ギリシャ時代からp=3,5は作図できることは知られ、p=7はガウスが不可能であることを示した。 ガウスは次に作図可能となる素数が17であることを発見した。これはガウスの作図定理により説明される。つまり、「素数pがフェルマー素数の時、正p角形が定規とコンパスのみで作図できる」という定理である。 ■忘れ去られたフェルマー素数の復興 フェルマー素数はフェルマー数(Fn=2^(2^n)+1)のうち素数になるものであり、かつてフェルマーはF0=3, F1=5, F2=17, F3=257, F4=65537,…と5番目(F0~F4)までは全て素数であることを確認し、この式は素数のみを無限に算出できる式だと予想した。6番目のフェルマー数のF5=4294967297は数も大きく当時、誰も素数かどうか判定できずにいた。 1732年、レオンハルト・オイラーによりF5=641×6700417として素因数分解できる(F5は素数でない)ことが判明した。これによりフェルマーの予想は否定され、フェルマー数自体もその求められた価値を失った。オイラーは素数判定法も発見し、候補となる素因数をしらみつぶしに試して発見した。しかしF6ではさらに巨大数となり、オイラーの判定法でも手軽な方法ではなくなった。 フェルマー数は素数を生み出す式ではないためしばらく忘れ去られていたが、ガウスの作図定理によって作図可能な図形がフェルマー素数と関係し、その価値が再び注目されることになった。 |
1796 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | ガウスは次の合同式x^2≡a (mod p)を考察した。整数aと奇素数pが与えられた時に、満足する整数xが存在するか否かを分析した。整数aについて、x^2の解を持つ時はaを「法pの平方剰余」と呼ぶ。 | |
1799 | カール・フリードリヒ・ガウス | ドイツ | 代数学の基本定理 |
複素数を深く研究する中で「代数学の基本定理」を証明した。つまり「実数係数のn次方程式は、複素数の範囲に全ての解を持つ」という定理である。 この定理は複素数係数のn次方程式に拡張しても成立する。つまりn次方程式を解くとは、複素数は閉じた(新しい数を定義する必要がない)数世界であることを意味する。 |
1800 |