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■読書は新しい知人を得るに等しい 「書物は新しい知人のようなものである。初めのうちは、大体において一致し、私たちの存在の何らかの主要な面で親しく触れ合うのを感ずれば、それで大いに満足している。やがてもっとよく知り合うと、ようやく差異がはっきりしてくる。そうなると、取るべき理性的態度の要点は、例えば若い時のようにすぐにしり込みしたりせず、他ならぬ一致点をしっかりと押さえて、だからといってすっかり一致しようなどと思わずに、差異を完全に自覚することである。」 自分の守備範囲ではない本を最後まで読むことによって、少し心が広がる。心というのは年を取るにしたがって狭くなるものである。今までの自分や価値観を守ろうとするために、違和感のあるものをとくかく否定して排撃する。 |
『座右のゲーテ』 齋藤 孝 ※『ゲーテとの対話 上』p202 エッカーマン |