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日記_蔵書のジャンル区分_20200702


①本のジャンル区分:日本十進分類法(NDC:Nippon Decimal Classification)

 本のジャンル区分には日本十進分類法(NDC)がある。図書館の蔵書管理に用いられる手法であり、様々な図書館のホームページの蔵書の並べ方や検索方法に利用されている。岡山県立図書館のHP、国立国会図書館のHPなど。自身の蔵書に対しても、このNDCをもとに適切な整理整頓をしたい。

②適切な粒度設定

 最も細かい粒度(キメの粗さ)を用意しても、そのジャンルの本を全く持っていなければ行き過ぎたジャンル区分であり、逆に蔵書管理が煩雑化する。要するにジャンル区分の粒度は、利用者に適した粒度(granularity)の調整が重要である。例えば"自然科学"の蔵書が多い場合、"自然科学"をより細かな粒度で深堀りするだろう。一方、私は小説などは殆ど持っていないため、最も粗いジャンル区分である"文学"に全てを詰め込んでしまっても十分だろう。

③蔵書のジャンル区分

 日本十進分類法(NDC)における最も粗い区分(0類~9類の10区分)は次の通り。

0類 1類 2類 3類 4類 5類 6類 7類 8類 9類
総記 哲学 歴史 社会科学 自然科学 技術 産業 芸術 言語 文学

 一応、この世に存在する書物は以上の0類~9類の10区分で大きく整理され、各区分の中にはより細かなジャンル分けが内包される。

④NDC準拠では不十分な粒度への対応

 NDCのジャンル区分は、基本的に3段階の粒度で表される。イメージ的には大分類/中分類/小分類という具合であり、特定のジャンルは3桁の番号が割り当てられる。例えば423は、自然科学(4XX)/物理学(42X)/力学(423)という風に、"力学"というジャンルまで絞り込まれる。※Xは任意の数字。 小分類に相当する力学(423)でも、今となっては少々粗いと感じる。そこで独自にさらなる下層構造を自作するのが良いだろう。

 NDCのジャンル区分では力学(423)、熱学(426)、電磁気学(427)という風に、1900年までに完成された古典物理学を基盤とするジャンル区分に対応し、原子物理学(429)があるものの、古典物理学と現代物理学という切り口に基づくジャンル区分はされていない。なお現代物理学の定義であるが、時系列的には1900年以降に確立されたミクロの不確実な世界を描写する「量子論」と、相対速度と重力(もしくは加速度)の影響を描写する「相対論」によって、古典物理学がアップデートされた学問分野を指す。つまり、古典電磁気学は、相対論的電磁気学、量子電磁気学といった風に呼び名が変わる。なお狭義の現代物理学はと言えば、決定論的な古典物理学の世界観と決別する、量子論のみを指し、相対論は古典物理学に含まれるとする見方もある。

⑤実際の活用状況

ホームページ(Save & Re-Mapping Repository)をご参照