· 

日記_蔵書家のレベル分け_20200702


①蔵書家のレベル分け

「蔵書の苦しみ」(岡崎武志 著)(新書版・文庫版)を読むと、井上ひさし氏(作家)の蔵書量が13万冊と書かれていた(※これがトップクラスの蔵書家だろう)。私は500冊程度の蔵書家?の端くれであり、蔵書整理をしていると自然に本の冊数と要する保管スペースの関係は掴めてくるものだ。ただ13万冊と聞くと家一軒では全然スペースが足りないだろうとは思えるが、何軒分と即答するのは難しいくらい多い。

 さて興味本位で、蔵書家の蔵書数によるレベル分けをしてみた。

蔵書家レベル 1 2 3 4 5 6 7
具体例 端くれ

蔵書家

小型書店 中型書店 大型書店 井上ひさし

ジュンク堂(@池袋)

丸善(@丸の内)

蔵書数(冊) 500~1000 ~5000 5000~1万 1万~2万 2万~ 13万 100万~

段ボール数

※100冊/箱換算

5~10 ~50 50~100 100~200 200~ 1300 10000~

本の総重量(kg)

※250g/冊換算

125~250 ~1250 1250~2500

2500~5000

5000~

32500~

(32.5トン)

250000~

(250トン~)

保管スペス規模

1部屋の半分 2部屋 3部屋以上

家一軒

- - 5Fビル以上

再構築金額(万円)

※800円/冊

40~80 ~400 400~800 800~1600 1600~

10400

(1.04億円)

80000~

(8億円~)

月間購入冊数ペース(冊)

※10年後到達

4~8 ~42 42~84 84~167 167~ 1083

8400~

月間購入額ペース(万円)

※10年後到達

0.32~0.64 ~3.4 3.4~6.7 6.7~13.4 13.4~ 86.6 670~

②蔵書家が養うべき整理術

 本を買う量(Book In-Flow)より本を手放す量(Book Out-Flow)が上回るような状態を維持することで、死ぬ時には手元には殆ど蔵書はなく死ねるわけで、できればそういう状態が望まれるだろう。多くの蔵書家が本を手放せない理由は、次の2点だろう。

1. いつか読みたいと積読本のままで未消化であることと

2. 本を読んでその時に得た問題意識は貴重であるが、そうした記憶が本の方に取り残され、本に封印されてしまうこと

 特に2.は自分の体の一部のような感覚となり、捨てることに非常に抵抗が生じる原因だ。また蔵書が多いからといって、決して利用されない蔵書となっていては死蔵書である。

 旺盛に本を買う蔵書家が養うべき能力は次の2点であり、いずれも蔵書を減らす整理術である。

1. 本を捨てる心の決着方法 (一種のアウトプット手法に昇華)

2. 本の引用能力の向上

 1.は読んだ本から得られるエッセンスや問題意識をいかに自分の血肉とできるか、本の方へ封印されてしまわないか、その対策を指す。一方で、2.は本の管理法を工夫して、必要ならばすぐに「目的の情報が載っている書籍」を再度購入できる体制を整えることを指す。今の時代、購入するべき本の情報が知れていれば、手元にある必要は必ずしもないので。