①ゲーム的動機付けについて
趣味・活動が続けられる秘訣を、子供の頃に熱中したテレビゲーム(特にRPGゲーム、世代的にはFF6)の仕組みから説明したい。通常、RPGゲームは1日では終わらず、クリアまでの累積プレイ時間は20~40時間(1日2時間なら10日~20日)程度掛かる。どんな面倒くさがり屋でも一応最後までクリアできる共通のベースとなる仕組みとして次の3つが働いているだろう。
1. 自動計算機能 (数値化機能)
2. ステータス表示機能 (状態の可視化機能)
3. セーブ機能
つまり「(1)自動的に活動の状態(ステータス)を(2)可視化し(3)記録保存する」仕組みと言える。この仕組みによる動機付け("ゲーム的動機付け"と呼びたい)がプレイヤー本人にストレスを与えることなく稼働することで、プレイヤーはゲームを楽しみ、上達を実感し、もっと努力しよう…と時間を費やせる。
②自動化について
自動化は、完全に自動化することが良いとも限らず、ある程度は選択肢や手作業を残すことで、楽しみ、コントロール感、達成感が得られる。
③可視化について
可視化はRPGゲームでいえばキャラクターのステータス表示画面であり、現在のレベル、体力・防御力・魔力・素早さなど様々な切り口から自分の能力を定量的に把握できる。また自身の強み・弱みを知るヒントにもなる。こうした可視化はプレイヤー自身がデザインしたり(ゲームによって能力を測る切り口は異なる)、計算するのは面倒なので、通常はゲームシステムとして事前に用意されている。
④セーブ機能について
ゲームといえども、セーブによって自分が費やした時間と成果がしっかり保全されると、一種の資産のように感じられる。セーブ機能によって成果を積み上げることができると、もっと良くしようとモチベーションが高まる。
⑤リアル世界ではどうか?
さて、以上のRPGゲーム等では当然完備されている3つの機能は、我々のリアルな生活ではどのように遂行できるのか? 答えは、ゲームではないので自分が主体的にやらないといけません。自分が好きな趣味・活動なら、特に気にせず高いモチベーションで続けられるが、そうでなければゲームの仕組みを参考にして自分で1~3を面倒だけど、やってみるのはどうだろう。
最近の使いやすくなったホームページ作成サービスを利用すれば、自動計算機能とセーブ機能は果たすことができる。可視化については、どう見せるか…というデザインを自分で考える必要がある。一筋縄ではいかないが、ここはその人の個性が出る重要なポイントだ。例えば、私は『年表作り』で何度かデザインの変更(特定の分野や時代を限定する等)を行っており、利用しやすく自身のやる気が高められるデザインになるよう調整している。最初から良いデザインは得られないだろう。
⑥応用例:外出を前向きに継続するモチベーション維持
私は基本的にインドア派で、どこか観光地に出かけたい…という意欲はそれほどない。だけど家庭の事情で外に出る機会が多くなるため、自分の中で外出のモチベーションを高める仕組みを取り入れた。観光地に行くとスマホで写真を撮ってたので、もっと解像度良く撮るために一眼レフカメラを購入した。そして訪問先の観光地の様子を撮影して、作成した自分のホームページで記録することを日課にした。外出→カメラ撮影→画像編集→HP更新のサイクルを繰り返して、ホームページ上で形になってくると次第に楽しみとなった。
関東地域の庭園・公園であれば花の見頃の時期など解説できるだろう。普段目にする些細な樹木・草花・野鳥の名前も調べて、同定できるようになった。また一眼レフカメラについても、どのような判断材料に基づいて何を買うのか、自身の考えを整理し記録した。