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経済系掲示板_IS-LM分析


■IS-LM分析の全体図

 IS-LM分析では、横軸にGDP(総需要,総生産)、縦軸に債券市場の利子率(r)をとり、その中にIS曲線(右下がり)とLM曲線(右上がり)を書いて、その交点(GDP,利子率)が均衡状態として実現すると考える。この均衡点は、財市場・貨幣市場・債券市場の3市場の均衡状態である。

 IS曲線の形状・移動の背景説明として、財市場(GDP)の企業設備投資の活況(つまり景気動向、信用量の増減)や中央政府による財政政策(財政出動や税制度)を用いる。ISとは企業設備投資(Investment)とその原資となる民間貯蓄(Saving)が財市場で均衡することに由来する。

 LM曲線の形状・移動の背景説明として、貨幣市場の貨幣需給と貨幣供給を用いる。貨幣供給は中央銀行の金融政策に依存し、特に政策金利の上げ下げによって貨幣供給量を調整できる。貨幣供給を固定する前提で考えることがあり、これは固定相場制時代(日本では戦前~1973年)で容易に貨幣量を調整できなかった名残と思われる。貨幣供給量固定の皺寄せを債券市場や財市場(GDP)の変化により、貨幣供給量が固定したままで済むよう説明される。変動相場制移行後は、中央銀行の金融政策により貨幣供給量は操作可能である。

 IS-LM分析はGDP推定モデルは債券市場の利子率の影響を主軸にGDPへの財政政策や金融政策の影響を考えるモデルである。但し、物価動向の因子は基本的には考慮しておらず、物価を一定と見なせる短期間の影響を知る上で使うことができる。45度線モデルが物価と利子率の両方を考慮していなかったことに比べてより現実に近いマクロ経済モデルと言える。