ISO感度の設定


■マニュアル書での記載ページ

Nikon製のD610マニュアル書

・p109:ISO感度

・p111:ISO感度設定

・p236:ISO感度設定ステップ幅

・p241:ISO感度表示と簡易設定

・p110:高感度(Hi0.3~Hi2)に設定した場合

・p110:低感度(Lo0.3~Lo1)に設定した場合

 

Nikon製のD7200マニュアル書

・p94,266,269:ISO感度

・p97,266:ISO感度設定

・p271:ISO感度設定ステップ幅

・p274:ISO感度の簡易設定

 

参考:フォトマスター検定合格(平成30年度)

・p29:フィルム感度

・p29:実効感度

・p29:ISO感度

・p29:EI(露出指数)

・p29:低感度フィルム/高感度フィルム

 

■撮影(露出)モードとISO感度の設定

 「ISO感度」は露出(露光)を決める説明変数の一つであるが、「絞り値」、「シャッター速度」、「光源環境(フラッシュの有無)」とは異なり、撮像素子に取り込む光量自体を調整するのではなく、変換された電気信号を電気的に増幅することで調整される。

 撮影時に、カメラ裏面左下にあるISOボタンを押しながら、メインダイヤルを回せば固定値水準の変更、サブダイヤルを回せばAUTOか固定値に変更することができる。撮影モードとの兼ね合いでISO感度の調整設定が以下のように異なる。 

カメラ 撮影モード ISO感度の設定内容 ISO感度の設定操作
D610 P,S,A,M

・オート:不可能

・固定値:Lo0.3~Lo1、100~6400、Hi0.3~Hi2

裏面左下のISOボタンを押しながら…

・オート設定:サブコマンドダイヤルを回す

・固定値設定:メインコマンドダイヤルを回す

  P,S,A,M以外

・オート:可能

・固定値:Lo0.3~Lo1、100~6400、Hi0.3~Hi2

D7200 P,S,A,M

・オート:不可能

・固定値:100~25600、Hi-BW1、Hi-BW2

  ナイトビジョン

・オート:可能

・固定値:不可能

 

その他の

撮影モード

・オート:可能

・固定値:100~25600

※D610の高感度(Hi0.3~Hi2)について

ISO感度がHi0.3とは、ISO6400に対して約0.3段分増感します(ISO8000相当)。

ISO感度がHi2とは、ISO6400に対して約2段階分増感します(ISO25600相当)。

 

※D610の低感度(Lo0.3~Lo1)について

ISO感度がLo0.3とは、ISO100に対して約0.3段分減感します(ISO80相当)。

ISO感度がLo1とは、ISO100に対して約1段分減感します(ISO50相当)。

 

※D7200の高感度(Hi-BW1、Hi-BW2)について

Hi-BW1はISO51200相当、Hi-BW2はISO102400相当。

 

■最終調整役としてのISO感度

 撮影モードがマニュアルモードなど説明変数を手動調整する場合、結果として適正露出にどうしても合わせられないことがある。

例えば、「夕方に木陰の下に咲く花に留まって羽ばたく蝶」を撮影する際に、絞り値を上げて、シャッター速度を上げて、ISO感度を下げ、発光(フラッシュ)はさせない、とすれば到底、適正露出には達しない。そのため、仮に撮影しても何も見えない暗い写真ができるだけです。そこで、撮影者はいずれかの説明変数を妥協して適正露出にする必要があります。いずれの説明変数もその写真表現上の効果(狙い)と光量(露出)との間に以下のようなトレードオフがあります。

説明変数(調整項目) 調整方向 光量(露出) 撮影上の効果(狙い)
①絞り値

下げる(最大絞り側)

増える(↑) 狭い領域にのみピントが合い、ボケ味が増す。
上げる(最小絞り側) 減る(↓) 手前から奥までピントが合い、ボケ味が減る。
②シャッター速度 低速シャッター 増える(↑)

光源動体を捉える。非光源動体を消し、光源静止体を捉える。

高速シャッター 減る(↓) 高速移動体の動きを止めた写真(ストップモーション)を撮る。
③ISO感度 上げる 不変(↑) ①と②を犠牲にせずに適正露出に合わせられるが、ノイズは増加。
下げる 不変(↓) ノイズは低下する。

④光源環境

フラッシュあり 増える(↑)

①~③の設定可能範囲を広げる。

フラッシュによる独自の効果・活用法もあるが、一方で意図しない反射や光源の不均一さなどの対策は必要です。

フラッシュなし 不変(-) 特になし

 上表では光量と露出を区別した。ISO感度の設定は、光量は同じでも電気増幅によって露出(出来上がる写真の明るさ)は変えられるという意味で使っている。また、④光源環境を不変とするならば、基本的には③ISO感度を犠牲にすることで求める①と②を設定しつつ、適正露出に合わせることが多い。

 つまり、マニュアルモードにおいても①と②を優先しつつも、仮に適正露出に合わせられない際にはISO感度をある上限範囲内で自動調整されるような設定があると便利です。

 

■ISO感度の自動制御機能


・撮影メニュー > ISO感度設定 > 感度自動制御

 感度自動制御をON/OFFにして、「制限条件感度」、「低速限界設定」を設定することで適正露出に合わせる最終調整役となるISO感度をどこまで犠牲にするかを設定できる。

 

【制限上限感度】

ISO感度が高くなりすぎないように、上限感度(200~Hi2)を設定できる。ISO感度の下限は100です。

 

【低速限界設定】