一眼レフデジカメや交換レンズを購入した後、撮影データ保存のための記憶媒体(SDカード)を購入する必要があります。そのため、2018年7月初旬の一眼レフデジカメ(Nikon製のD610)の購入と同時にSDカードをネット購入しました。ちなみに、SDカード以外にもmicroSDカードなどの別のメモリーカードもありますが、Nikon製のD610やD7200についてはSDカードしか対応していません。
SDカードを選ぶ判断基準は、データ書き込みスピード(スピードクラス)、容量、値段の3つでしょう。国内メーカーでは32GBや64GBの容量であってもSDカードに1万円超の価格帯が多くあり、データ書き込みスピードの性能によって記憶容量が同じでもずいぶんな価格差が見られました。以下の2点から、SDカード選びは"容量"と"値段"を重視しました。
①そもそもSDカードにあまりお金を使いたくない。
②秒速10枚などの高速連射撮影ができる高スペックの一眼レフデジカメを持っているわけではないため、SDカードのデータ書き込みスピードの遅延が普段の撮影で足を引っ張るという事態にはならないだろう…と思ったこと。
SDカードの製造メーカーを調べると、国内メーカーよりも海外(台湾)のTranscend(トランセンド)がお安いようで、その商品ラインナップから割安なものを選ぶことにしました。
2018年7月5日、ネット通販(Amazon)でTranscend(トランセンド)製の32GBのSDカード1個を1,880円で購入しました。ちなみに、秋葉原のヨドバシカメラにも行ったところ、国内メーカーの高価格帯のSDカードの品揃えは豊富でしたが、格安のTranscend製のSDカードは扱っていませんでした。製品の名称は、「Transcend SDHCカード 32GB 3D TLC UHS-I Class10」とあり、型番はTS32GSDC300Sです。
Nikon製D610に空のSDカード(32GB)を差し込み、画質モードごとの撮影可能回数を確認すると以下の表のようになりました。なお、"画像サイズ"はすべてサイズL(6016×4016,24.2M)に統一して、"画質モード"の設定を変更させています。画像サイズと画質モードの設定は、カメラ背面のMENUボタンから撮影メニューから可能です。
画像サイズ | 画質モード | 一度の撮影で生成される画像 | 撮影可能回数 |
撮影一回当たりの消費容量 |
サイズL | ①RAW+FINE |
RAW画像1枚と高画質JPEG画像1枚:合計2枚 |
415回 | 71.6MB |
サイズL | ②RAW+NORMAL | RAW画像1枚と中画質JPEG画像1枚:合計2枚 | 487回 | 61.0MB |
サイズL | ③RAW+BASIC | RAW画像1枚と低画質JPEG画像1枚:合計2枚 | 534回 | 55.6MB |
サイズL | ④RAW | RAW画像1枚 | 591回 | 50.3MB |
サイズL | ⑤FINE | 高画質JPEG画像1枚 | 1300回(1.3K) | 22.8MB |
サイズL | ⑥NORMAL | 中画質JPEG画像1枚 | 2700回(2.7K) | 11.0MB |
サイズL | ⑦BASIC | 低画質JPEG画像1枚 | 5400回(5.4K) | 5.5MB |
私は通常、サイズLで④の設定で撮影しているので425回撮影が可能です。経験上、野鳥をひたすら連射撮影するのでなければ、休日に観光地を一日中で歩いても残高が300切ることはないので、二泊三日の旅行などであれば32GBのSDカード1枚で十分かな…という印象です。それよりもカメラのバッテリーの方が先に尽きることが心配です。
撮影1回当たりの消費容量(消費メモリ)は、32GBのSDカード合計容量(29.7GB)を撮影可能回数で単純に除した値です。
2018年9月13日、Nikon製のAPS-Cサイズの一眼レフデジカメであるD7200を購入したことを受けて、前回購入したTranscend(トランセンド)製の32GのSDカードを追加購入しました。ちなみに、1,480円で購入でき、約2か月ほどで400円も下がっていた。
Nikon製D7200に空のSDカード(32GB)を差し込み、画質モードごとの撮影可能回数を見ると以下のように表示されています。なお、"画像サイズ"はすべてサイズL(6000×4000,24.0M)に統一して、"画質モード"の設定を変更させています。画像サイズと画質モードの設定は、カメラ背面のMENUボタンから撮影メニューから設定できます。
画像サイズ | 画質モード | 一度の撮影で生成される画像 | 撮影可能回数 |
撮影一回当たりの消費容量 |
サイズL | ①RAW+FINE |
RAW画像1枚と高画質JPEG画像1枚:合計2枚 |
408回 | 72.1MB |
サイズL | ②RAW+NORMAL | RAW画像1枚と中画質JPEG画像1枚:合計2枚 | 479回 | 61.4MB |
サイズL | ③RAW+BASIC | RAW画像1枚と低画質JPEG画像1枚:合計2枚 | 524回 | 56.1MB |
サイズL | ④RAW | RAW画像1枚 | 583回 | 50.4MB |
サイズL | ⑤FINE | 高画質JPEG画像1枚 | 1300回(1.3K) | 22.6MB |
サイズL | ⑥NORMAL | 中画質JPEG画像1枚 | 2600回(2.6K) | 11.3MB |
サイズL | ⑦BASIC | 低画質JPEG画像1枚 | 5200回(5.2K) | 5.7MB |
撮影1回当たりの消費容量(消費メモリ)は、32GBのSDカード合計容量(29.4GB)を撮影可能回数で単純に除した値です。前回購入した同商品よりも少しだけ合計容量が小さかったです。
2019年4月初旬、SDカードごと知人に渡す必要があり、その間の代わりとなるSDカードを買おうと思い、改めてSDカードについて調べました。2018年7月初旬~2019年3月末の約9ヵ月間は、あまり深く考えずTranscend製(シルバーカラー(300S)の32GB)のSDカードを使ってきたわけです。
こちらに記載されるように、SDカードの"容量"や"読み書きスピード"などの各性能は互いに密接に関係しており、標準化(規格化)されています。基本的にはSDカード表面のシールに記載される文字記号やカラーリング(こちらはメーカー規定)からその性能が分かります。改めて、2018年7月5日に1,480円で購入した『Transcend SDHCカード 32GB 3D TLC UHS-I Class10』に記載されている記号の意味を解読しましょう。
性能項目 | SDカード表面シールの記号 | 意味 |
SD規格 | 中央のSDHC |
4段階(SD/SDHC/SDXC/SDUC)のうち、 下から二番目のSDHC。 |
容量 | 下部の32GB |
SDHCの場合、2GB超32GB以下であり、 本商品は取りうる最大32GBです。 |
ファイルシステム | 特に記載なし | SDHCの場合、FAT32となる。 |
バスインター フェーススピード |
SD規格ロゴ(SDHC)の 右下にあるI |
6段階のうち下から3番目のUHS-I。 |
スピードクラス |
SD規格ロゴ(SDHC)の 左上の10:スピ―ドクラス 左下の1:UHSスピードクラス |
スピードクラスのマークは以下の3つがあり、 数によって書込最低速度の水準を定めています。 ①スピードクラス:2,4,6,10 ②UHSスピードクラス:1,3 ③ビデオスピードクラス:6,10,30,60,90 UHSスピードクラスが1なので、 最低書込み保証速度は10MB/sec |
カラーリング |
シルバーカラー ※Transcendの場合 |
カラーリングはTranscend製SDカードのシリーズ を反映し、以下のようになります。 シルバー(300S)<ゴールド(500S)<ブラック(700S) シルバーなので最大書込み速度は45MB/sec。 |
こちらを参考にすると、スピードクラスの観点から書込み最低保証速度は10MB/sec程度であり、Transcendのホームページより300Sの最大書込み速度は45MB/secとされます。つまり、書込み速度のレンジは10MB/sec~45MB/secとなります。
1秒間に5連射できるカメラとすると、1秒間にRAWデータが150MB(=5枚×30MBとして計算)のペースで生まれ、3秒~15秒後に書込みが終わります。書込み完了に要する時間は15秒後よりもかなり早い印象ですが、書込むために一時保存可能な容量の上限に達すると連射が自動的にストップします。書込み速度の速いSDカードほどカメラの連射性能を最大限で維持しながら撮影可能枚数(時間)を稼げるのでしょう。
Transcend製のSDカード価格を調べると、シルバーカラー(300S)の32GBでも64GBでも、価格差は小さいので、次に買うなら64GBの方がお得でしょう。容量を32GBから64GBにすると、単に容量の違いだけでなく標準化されたSDカード規格がSDHCからSDXCへ一段階ほど上がりますが、あまり気にしなくて良いと思います。次に、カメラ連射性能に影響するスピードクラスですが、前回購入したTS32GSDC300SはUHSスピードクラスを1であり、これを一段階引き上げて3のSDカードを選べば、最低書込保証速度を10MB/secから30MB/secに底上げできます。ただし、最大書込速度はTranscend製の300S(シルバーカラー)である以上、45MB/secから変化しないようです。
以上から、次回購入のSDカードのスペックは、容量は64GBで、最低保証書込速度を決めるUHSスピードクラスが3を基本路線に決めました。高速連射を必要としない風景撮影に使っているNikon製D610(フルサイズ)と標準ズームレンズの組み合わせには、それで行こうと思います。次に、野鳥などを連射撮影する望遠撮影に使っているNikon製D7200(APS-Cサイズ)と望遠ズームレンズの組み合わせには、最大書込速度を一段階引き上げるTranscend製のSDカードの500S(ゴールドカラー,W60MB/sec)を選ぼうと思います。
2019年4月8日、以下の2点を追加購入した。
・Nikon製D610用に、Transcend SDカード 64GB UHS-I U3 V30 対応 Class10 (最大転送速度95MB/s)。Transcend製のシルバーカラー(300S)であり、型番名はTS64GSDC300S-E。購入価格1450円。
・Nikon製D7200用に、Transcend SDXCカード 64GB UHS-I U3対応 (最大読込速度95MB/s,最大書込速度60MB/s) 。Transcend製のゴールドカラー(500S)であり、型番名はTS64GSDU3。購入価格3980円。
以下、スペックの詳細を整理する。
①Nikon製D610用に購入したSDカード(TS64GSDC300S-E)
性能項目 | SDカード表面シールの記号 | メモ |
SD規格 | SDXC | 4段階のうち上から2番目の規格 |
容量 | 下部の64GB |
SDXCの場合、32GB超2TB以下であり、 本商品は取り得る最小64GBです。 |
ファイルシステム | 特に記載なし |
SDXCの場合、exFATとなる。 |
バスインター フェーススピード |
SD規格ロゴ(SDXC)の 右下にあるI |
6段階のうち下から3番目のUHS-I。 |
スピードクラス |
SD規格ロゴ(SDHC)の 左上の10:スピ―ドクラス 左下の3:UHSスピードクラス 右上のV30:ビデオスピードクラス |
UHS-Iが取り得る3つのスピードクラスは、 すべて最大の数値となっています。 UHSスピードクラスが3で、 ビデオスピードクラスがV30なので、 最低書込み保証速度は30MB/sec |
カラーリング |
シルバーカラー ※Transcendの場合 |
シルバーカラーなので、 最大書込み速度が45MB/sec 最大読込み速度が95MB/sec |
初回購入のSDカード(TS32GSDC300S)に比べて容量が2倍の64GBですが、書込み速度については30MB/sec~45MB/secとなり、最低保証書込速度が底上げされ、最大書込速度は横ばいとなりました。TS32GSDC300Sと比べて価格に大差ないので、こちらの方がお買い得です。こちらは風景撮影などの連射用には使わないので、Nikon製D610(フルサイズの一眼レフデジカメ)と標準ズームレンズ(もしくは広角ズームレンズ)などの組み合わせに利用します。価格も1450円で、32GBのものと大差ないです。
②Nikon製D7200用に購入したSDカード(TS64GSDU3)
性能項目 | SDカード表面シールの記号 | メモ |
SD規格 | SDXC | 4段階のうち上から2番目の規格 |
容量 | 下部の64GB |
SDXCの場合、32GB超2TB以下であり、 本商品は取り得る最小64GBです。 |
ファイルシステム | 特に記載なし | SDXCの場合、exFATとなる。 |
バスインター フェイススピード |
SD規格ロゴ(SDXC)の 右下にあるI |
6段階のうち下から3番目のUHS-I。 |
スピードクラス |
SD規格ロゴ(SDHC)の 左上の10:スピ―ドクラス 左下の3:UHSスピードクラス |
ビデオスピードクラスのマークがないです。 それ以外の2種類のマークはUHC-Iが取り得る 最大の数値となっています。 UHSスピードクラスが3なので、 最低書込み保証速度は30MB/sec |
カラーリング |
ゴールドカラー ※Transcendの場合 |
ゴールドカラーであり、以下の数値が記載。 最大書込み速度が60MB/sec 最大読込み速度が95MB/sec |
初回購入のSDカード(TS32GSDC300S)に比べて容量が2倍の64GBであり、書込み速度については30MB/sec~60MB/secと最低保証速度と最大速度がいずれも向上しています。価格は3980円であり、TS64GSDC300S-Eと比べた価格差(2500円分)は、主にこの最大書込み速度のアップ分と見なせます。
こちらの方が高速連射に適しているので、Nikon製D7200(APS--Cサイズの一眼レフデジカメ)と望遠ズームレンズなどの組み合わせにより、野鳥の決定的瞬間を狙った撮影に使いたいと思います。