⑨-1:外付けストロボ購入の動機


■日中シンクロの必要性

 2018年9月17日(月)、巾着田曼殊沙華公園内(埼玉県)で彼岸花(曼珠沙華)を撮影する中、"外付けストロボ(フラッシュ)"が必要だと感じました。「明るい背景(逆光)」に対して手前の「暗がりにある彼岸花」を撮影する場合、以下に示すように、普通に撮影するだけでは彼岸花は暗く写ります。

高麗川の反射光を背景に林の下の彼岸花を撮影
高麗川の反射光を背景に林の下の彼岸花を撮影
大空を背景に彼岸花を撮影
大空を背景に彼岸花を撮影

 仮に、撮影時に露光(露出)を高めて撮影すると彼岸花は明るく写りますが、背景もさらに明るくなるため白トビが発生するでしょう。また、デジタル加工で露出調整することも考えられますが、以下のようになります。

露出補正:+2.5
露出補正:+2.5
露出補正:+2.5
露出補正:+2.5

 露出調整により彼岸花を明るくできますが、背景は白トビします。また、ISO感度を十分に下げた画像データでなければ、ノイズが目立ちやすくなります。やはり、目的とする写真を得るためには、外付けストロボを用いてフラッシュを当てる必要がありそうです。こうした背景の明るさに被写体の明るさを同調(シンクロ)させるフラッシュを用いた撮影手法を、日中シンクロと呼びます。

 

 "外付けのストロボ"は、各社呼称(商品名)がスピードライト、エレクトロニック・フラッシュ(または、単なるフラッシュ)、ストロボなど様々です。例えば、Nikonではカメラ内蔵ストロボを"フラッシュ"、外付けストロボを"スピードライト"と呼び、区別しています。

メーカー名 ストロボのリンク
Nikon スピードライト
Canon ストロボ関連スピードライト、マクロライト

 

■外付けストロボのメリット

 "外付けストロボ"の重視すべきスペックの一つは「発光量(ガイドナンバー(GN))」でしょう。適正露出を得るために4つの変数(光源環境、絞り値、シャッター速度、ISO感度)のうち"光源環境"の調整することで、残りの3つの変数の自由度、ひいては、写真の表現力を高められます。以下、"外付けストロボ"の具体的なメリットです。

  1. 日中シンクロが可能になる。
  2. 暗い環境(屋内、日陰、曇りの日など)でも高速シャッター(1/250秒以上)が可能となり、手持ち撮影でも手ブレを抑制できます。
    "三脚"を使う代わりに"外付けストロボ"を使うのであれば、撮影スタイルの変化と言えます。
  3. 超高速シャッター(1/4000秒、1/8000秒)がより容易になり、超高速世界の描写表現を深められます。
    ※ただし、FP発光モードに対応した"外付けストロボ"でなければ、高速シャッター(1/250秒以上)での撮影はできません。
  4. マルチ発光モード対応の機種ならば、被写体の動きを一枚の写真に写すことができます。