⑨-3:外付けストロボ商品の比較


■外付けストロボのメインプレーヤー

 Nikonのデジタル一眼レフを2台(D610とD7200)保有しているので、純正の外付けストロボ(Nikonではスピードライトと呼ばれる)と言えばNikonの商品となる。一方、コスパに着目してサードパーティ製のストロボのうちクリップオン型を調べると、国内はNissin、海外は中国メーカーのGodoxが有力となろう。以下、想定されるストロボのメーカーを整理しました。

  純正 サードパーティ製
国内 Nikon Nissin,Comet
海外 中華製 - Godox,Yongnno,Neewer,K&F Conceptなど
それ以外  - Profoto(スウェーデン)など

 

 上記の表の色付きの会社(Nikon,Nissin,Godox)が、想定される購入対象の外付けストロボ・メーカーとなります。中国製のGodoxは他の中国製の3社(Yongnno,Neewer,K&F Concept)に比べて優位なようですのでGodoxのみを取り上げて比較します。他にもProfotoとCometは、スタジオで利用する高出力のストロボ(モノブロック型)や定常光源となるライトがメインで、クリップオン型もあるにはあるが、そもそも非常に高価でしたので選定メーカーから除外しました。

 

■Nikon純正商品の比較

 Nikon純正のスピードライトの性能について整理します。商品の発売日によっては、クラス通りのスペックではなくなっていることもあると思います(既に販売停止もありますが…)ので、目安として発売日が2010年以降の商品を列挙します。お金があれば、最も発売日が新しいフラッグシップ機であるSB-5000がいいですね。

 光量の目安となるGN(ガイドナンバー)は基本的にISO感度100の前提であり、照射角(焦点距離で表示)によって大きく変化します。また、ライトヘッド部のアタッチメント(ボックス)や、配光モード(均質配光<スタンダード配光<中央部重点配光)でも多少前後します。

 また、マルチ発光(Nikonではリピーティング発光と呼ぶ)やFP発光(NioknではオートFPハイスピードシンクロと呼ぶ)は、スピードライトとカメラの双方が対応しているかチェックが必要です。この部分は、スピードライトの使用説明書よりもむしろカメラ付属の使用説明書に一覧で記載されていました。また、次のリンクが非常に正確で分かりやすいです。

スピードライトとカメラの組み合わせ

クラス

フラッグシップ機

(最上位機種)

上位機種 中位機種 中位機種 下位機種
型名 SB-5000 SB-910 SB-700 SB-500 SB-300
使用形態 クリップオン型 クリップオン型 クリップオン型 クリップオン型 クリップオン型

発売日

2016年3月26日

2011年12月15日

(販売終了)

2010年11月26日 2014年9月25日 2013年8月29日

希望小売価格

(新品実勢価格)

78300円

(55480円)

70200円

(なし)

48600円

(32765円)

35100円

(25698円)

21600円

(15900円)

照射角(焦点距離)

※フルサイズ基準

24mm-200mm 12mm-200mm 24mm-120mm 不明 不明

GN (@焦点距離)

※ISO感度100

34.5 (@35mm)

※スタンダード配光

31-39 (@35mm)

※配光モードによる

24-30 (@35mm)

※配光モードによる

24 18

GN (@焦点距離)

※ISO感度100

55    (@200mm)

※スタンダード配光

51.5-55 (@200mm)

※配光モードによる

37-38 (@120mm)

※配光モードによる

- -

閃光時間

9段階

(1/980秒~1/30820秒)

8段階

(1/880秒~1/38500秒)

8段階

(1/1042秒~1/40000秒)

不明

1/1100秒(フル)

不明

1/1650秒(フル)

TTL自動調光

マルチ発光

※リピーティング発光

※補助灯時のみ

※補助灯時のみ

FP発光

※オートFPハイスピードシンクロ

後幕発光

バウンス(垂直)

バウンス(水平)

電波制御

※リモート操作時

※カメラ上位機種

 

 SB-5000における電波方式でのオフカメラ(リモート)操作や多灯撮影は、上位機種のカメラのみ可能になっています。私が保有するD610やD7200には対応していません。APS-C型の一眼レフではフラッグシップ機のD500とその下の機種であるD7500は対象でしたが、このためにD7200ではなくて、D7500を購入すればよかったとは思っていないです(今のところ)。

 

■国内サードパーティ製Nissin商品の比較

 Nissinのストロボは、調べた限りでは2011年発売の上位機種だったDi866 Mark IIではマルチ発光が可能でしたが、その他の機種ではどうやら不可能のようです。特に最近(2018年9月)発売のMG10でもマルチ発光の記載はなかった。マルチ発光は是非とも使いたい機能なので、古いバージョンのDi866 Mark IIにあるとは言え、現在の主力であるi60AやDi700Aではないので、Nissin製の外付けストロボは自分には適さないかな…と思った。 

クラス

フラッグシップ機

(最上位機種)

上位機種 上位機種 中位機種 下位機種
型名 MG10 Di866 Mark II i60A Di700A i40A
使用形態 グリップ型 クリップオン型 クリップオン型 クリップオン型 クリップオン型

発売日

2018年9月

2011年5月

(販売終了)

2016年12月 2015年4月 2014年6月?

希望小売価格

(新品実勢価格)

71,280円 

(-)

51,711円

(41,800円) 

 (34,560円) (24,840円) (23,300円) 

照射角(焦点距離)

※フルサイズ基準

24mm-200mm 24mm-105mm 24mm-200mm 24mm-200mm 24mm-105mm

GN (@焦点距離)

※ISO感度100

47 (@35mm)

31 (@24mm)

40 (@35mm)

27 (@24mm)

32 (@35mm)

22 (@24mm)

28 (@35mm)

22 (@24mm)

GN (@焦点距離)

※ISO感度100

80 (@200mm) 60 (@105mm)

50 (@105mm)

60 (@200mm)

48 (@105mm)

54 (@200mm)

 40 (@105mm)

閃光時間

1/400秒~1/20000秒 1/300秒~1/30000秒 1/800秒~1/20000秒 1/800秒~1/30000秒 1/800秒~1/20000秒

TTL自動調光

マルチ発光

※リピーティング発光

✖ 

FP発光

※オートFPハイスピードシンクロ

※1/8000秒まで同調


※1/8000秒まで同調

※1/8000秒まで同調

※1/8000秒まで同調

後幕発光

 

バウンス(垂直)

バウンス(水平)

電波制御

※リモート操作時

 

■海外サードパーティ製Godox商品の比較

 中国製のGodoxの外付けストロボは、日本での正規代理店としてKPI(ケンコープロフェッショナルイメージング)が担当されています。ワイヤレスの通信方式は電波式(電波制御)となるので、法律違反にならないためにも適技マークのシールが確実に貼られているであろうKPIから購入することが推奨されているようですね。

 モノブロック型とクリップオン型がありますが、基本的に調べる対象は、最近発売されたクリップオン型の2種類の機種(V860IIとTT350)に絞られます。 

クラス 上位機種 上位機種 上位機種 上位機種 中位機種
型名 AD600Pro AD600 V860II TT600 TT350
使用形態 モノブロック型 モノブロック型  クリップオン型 クリップオン型 クリップオン型

発売日

2018年7月2日  2016年8月17日

2017年2月15日

  2018年3月27日

希望小売価格

(新品実勢価格)

         

照射角(焦点距離)

※フルサイズ基準

    20mm-200mm -20mm 24mm-105mm 

GN (@焦点距離)

※ISO感度100

         

GN (@焦点距離)

※ISO感度100

    60 (@200mm) 60 (@200mm) 36 (@105mm)

閃光時間

1/220秒-1/10100秒 1/220秒-1/10100秒 1/300秒-1/20000秒   1/350秒-1/20000秒

TTL自動調光

     

 

マルチ発光

※リピーティング発光

 

FP発光

※オートFPハイスピードシンクロ

※1/8000秒まで同調 

※1/8000秒まで同調

※1/8000秒まで同調

 

※1/8000秒まで同調 

後幕発光

 〇  

バウンス(垂直)

         

バウンス(水平)

         

電波制御

※リモート操作時